アクリルの特徴

プラスチックとアクリル

プラスチックは一般的に合成樹脂の総称で、石油を原料とし、熱や圧力によって可塑性を示し、任意の形に加工・成形できる高分子物質です。アクリル樹脂(acrylic resin)はプラスチックの一種で、熱可塑性樹脂に分類されています。
耐久性にすぐれ、美しい透明性を持っていることから、レンズ、装飾、水族館、インテリア、ディスプレイまで、私たちの生活の様々な物に使われています。

美術館やギャラリーの展示ケースになぜアクリルが使われるのか?

美術館やギャラリーでは展示にアクリルケースが多く使われています。
その理由として上げられるのは、

  1. ガラスよりも軽量で加工性が高いこと。(ガラスの半分程度の重量)
  2. アクリルの透過率は可視光線透過率は92%でガラスの透過率90%より優れていること。
  3. ガラスよりも割れにくく、割れても飛散しにくいこと。
  4. 展示物を見る人に、そのままの作品の価値を伝えることが出来る。
  5. 作品をホコリから守り、ゲストが直接触ったりする事を防ぐ。
  6. 作品の大きさに合わせて自在に設計することが出来る。
  7. 中に入れた物はそのまま飾られているよりも格段と引き立つこと。

などがあります。
個展や作品展示の機会にぜひ、アクリルのケースをお役立てください。

F+Tresのアクリル板の切り口の処理

より透明に見える‥‥‥違いは仕上げの丁重さ

Sクラス Aクラス Bクラス Cクラス
バフ磨き ガス磨き カンナ ノコカット
カットしたアクリル板カンナをかけた後赤バフで磨き、白バフで仕上げ光沢を出す。美しい透明感に仕上がる。長期にわたり透明感を維持できる。 カンナをかけた後、ガスバーナーでエッジを炙って溶かし艶をだす方法。変色やムラ、泡立ち、クラックの原因となることがある。 カットしたアクリル板にカンナをかけた状態のカンナの刃のあとが残り曇った状態の仕上げ。透明感はない。 アクリル用のノコギリでカットしただけの未処理の状態。アクリルの面板にフレームをつけるなど、カット面が見えない場合に採用。
アクリル板の厚み アクリル板の厚み アクリル板の厚み アクリル板の厚み
5ミリ以上 3ミリ 2ミリ 1ミリ
展示用のケースや高級店で使用される。接着面に気泡が目立つため丁寧な仕上げが求められる。量産向きではない。 量産品を製造する場合に使用される。店舗などディスプレイ用のケースなど。 強度が求められない小さな形状ものに使われる。小さなケースなど。 強度が求められない小さな形状ものに使われる。小さなカードフレームなど。アクリル板自体の厚みが薄いと小口の仕上げも目立たない。
主な設置場所 主な設置場所 主な設置場所 主な設置場所
ハイブランドの店舗。中に入れるものがより美しく見える。高級感があり美術品の展示などにも使われる。宝飾品・工芸品・美術館・インテリア。 百貨店・テナント・店舗など大型店で広い売り場に配置されるもの。厚手の板で量産向き。雑貨店・薬局・コンビニなどアクリルケースが目立つ場所。 薄手の板を使用した大型店舗など大量生産される什器。商品陳列用。量販店・スーパーのカード挿しなど。 大量生産が必要な薄手のアクリル板で切り口が目立たないもの。ファミリーレストランのメニュー入れなどに多く用いられる。
値段
高価安価

藤巧芸で生産されるアクリルケースは、クリアに美しく使用していただくため、当社基準の“Sクラス”を採用しています。
アクリル板加工品の透明度の決め手はエッジの仕上げにかかっていると言っても過言ではありません。
藤巧芸で使用している国内メーカーのアクリル板の厚みは主に1ミリ〜20ミリです。
製作時に手間をかけることにより、ずっと美しいエッジが続きます。

アクリル板切断面の磨き方は主に3種類です。

 

  1. バフ磨き(布に研磨剤をつけて磨く)
  2. 美しく光り透明感があります。板を持ち上げて磨くので大物になると大変です。磨き終わったアクリルの光沢が美しく、透明なアクリルの透明感が更にアップします。F+Tresではバフ磨きで仕上げた商品が最も多いです。

    バフで磨いた商品はこちらのアイコンが付いています。

     

     

  3. レーザー加工機でカットする
  4. 美しくカットできます。接着を伴う加工にはクラックが入る可能性があります。

    レーザーカットした商品はこちらのアイコンをつけています。

     

     

     

  5. ガスバーナーで炙りアクリル板の切り口を溶かす
  6. 溶けることで透明感が出ます。経年劣化や変色することがあります。短時間で処理できるので大量生産向きの加工方法です。

 

F+Tresではレーザー加工機でカットするもの以外はすべて”バフ磨き仕上げ”を採用しています。

 

 

F+Tresのアクリル板の接着方法

アクリル板接着は、アクリル用接着剤を使いアクリル板を溶かして接着します。
市販のケースは3ミリ以下の厚みのものが多く接着が簡単です。 F+Tresの商品は5ミリのアクリル板を使っているので一台ずつ丁寧に接着しています。

 

アクリルケースを捨てるには?

プラスチックの中でアクリル板はメタクリル樹脂に分類され、リサイクルは100%可能な素材です。
一般のご家庭や企業様ではリサイクル業者と契約することは難しいので、自治体にご確認ください。